酒田市モシエノ大学

イベントレポート

【第47回モシエノ大学レポート(登壇者:長井市おもちゃ屋kimi店主 船山裕紀)】楽しいこと

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今回は山形県長井市でおもちゃ屋kimiを経営され、DO IT2008、ぼくらの文楽などの地方フェスを主催してきた船山裕紀さんにご登壇いただきました。

今回はモシエノ大学のメイン司会者で、来月6月9日(土)に行われるDO IT 2018主催者でもある佐藤優人氏とのトークライブです。

 

地方に魅力を感じず一度は山形を離れ東京で過ごしたものの、人との繋がりを通して今再び地方を楽しみ尽くす、そんな似た境遇を持つ2人が今何を想うのか語っていただきました。

 

佐藤:今日は長井市からはるばる来ていただきました、船山さんです。よろしくお願いします。

 

船山:よろしくお願いします。

 

向ヶ岡遊園でザリガニが歩いていた。

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佐藤:どんな学生時代でしたかという質問を毎回しているんですけれども、もともと長井出身ですよね。どんな子供でした?

 

船山:小学校時代はませてたみたい。小学校1年生でデートしてて、3年生のときには吹奏楽部でトランペットやってました。で、中学校からバンド始めました。

 

佐藤:バンドのきっかけってなんですか?

 

船山:「バンドやろうぜ」だよね。雑誌見て19,800円のベースセット買って、部屋の電気つけるヒモにマイクぶら下げて、おばあちゃんののラジカセに繋いでやってた。

高校時代はスカート履いて、服自分でデザインして作ったり、ファッショナブルでしょ。

 

佐藤:高校卒業後、仙台のデザイン専門学校に行きますが、なんで途中でやめたんですか?

 

船山:やめた側から言うと全部言い訳なんだけど、自分で服作ったりみんなが着ないブランドを着てるのを見て、クラスメイトがバカにしてくるのに耐えられなくなって。見かけ判断な人たちばっかりで。

 

佐藤:服を楽しむっていうベクトルが全然違うっていうことですか?

 

船山:全然違うね。高いやつ買えばいいとか、知っているやつは偉いみたいな人たちと一緒にいるのは無理だなと思って。

 

佐藤:そして東京に行った後、山形に戻ってくると。その流れを教えてもらえますか?

 

船山:東京では派遣のバイトをしながらバンド組んでライブしてた。ヒッピーが集うようなライブハウスに行ってて。映画監督とか小説家、フォトグラファーとかと話してて楽しかった。

その後、向ヶ丘遊園っていう閑静な住宅地に引っ越したんだけど、自転車で帰ってる途中にアスファルトの上をザリガニが右から左に歩いていて。

「バカじゃねえのか、なんでアスファルトの上をザリガニが歩いてないといけないんだ!」と思って、こんなとこは駄目だと思って、すぐ母親に電話して長井に帰るって言って。

 

佐藤:なるほど(笑)。ここでターニングポイントなんですけれども、『向ヶ岡遊園でザリガニが歩いていた』という。

 

船山:本当そうだと思う。だって東京でザリガニ歩いているの見たことないでしょう?絶対違うじゃん。死んじゃうじゃん。

 

自分の街を自分がやりたい街に変えちゃった方が東京に行くより簡単じゃない?

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佐藤:そして山形に帰って来てSHIFTというバンドを始めたそうですけど、どれくらいライブやってたんですか?

 

船山:多いときで年間100本くらい。仕事休んでライブしてたね。でも山形じゃ駄目だ、東京行くしかねえってなって。でも東京でライブするって友達もいないしやり方わからないよね。で、とりあえずライブハウスを貸し切ればいいんじゃないかと思って。発想が短絡的でしょ。とりあえず下北沢のライブハウス貸し切って。

さすがにワンマンは無理だと分かってたから、集客ができそうなバンドを探そうって言って、当時家にインターネットなんてないから漫画喫茶に行って、集客ができそうなバンドを探してメールして。

 

佐藤:会ったこともないバンドにお願いしてた?

 

船山:一人も会ったことない。結局客呼べないから大赤字になって。でもそこでみんなと縁ができたわけよ。で京都にライブに行くことにもなって。

 

佐藤:DO ITというフェスを船山さんがやっていたわけですが、DIYフェスと呼ばれる、制作会社を通さずに全部自分たちで行うフェスの中では「東のDO IT、西のボロフェスタ」と呼ばれた時期があったんですが、そのボロフェスタを主催していた飯田さんにそのとき京都で出会ったということですよね?

 

船山:そう。対バンの打ち上げ時に飯田さんがいて、まず愚痴ったんだよ。「山形マジクソっす」って。でも飯田さんが「自分の街を自分がやりたい街に変えちゃった方が君が東京に行くより簡単じゃない?」って言われて。そりゃそうだと。

 

佐藤:そこからアホほど呼びまくった流れの到達点がDO IT2008だと?

 

船山:そうだね。

 

佐藤:僕東京出てから全然帰省しなかったんですけど、そのとき東京からDO IT見に山形に行ったんですよ。本当信じられないイベントだったんですよね。刺青入ってる人とかやばそうな人がいてめっちゃ怖かったし、フードが芋煮しかなかった(笑)。

DO ITやるって大変なことですよね?

 

船山:超大変だね。楽しかったけど、寝てないし。アーティストがいっぱい来ると毎日連絡来るからその対応も大変だし。

 

佐藤:大変ですよね。で、それを2016年から私たちが受け継ぎましてDO ITというイベントを酒田で開催しています。10年たってDO ITやっている感じはどうですか?

 

船山:めっちゃいいと思う。

 

佐藤:という感じで今年のDO IT、6月9日やりますので、ぜひよろしくお願いします。

 

「田舎って何もできないな」っていう子供に育って欲しくない。

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佐藤:という経緯を経て船山さんは2011年に「ぼくらの文楽」というイベントを開催していて、どういうイベントなのか教えてください。

 

船山:僕今長井市の西根地区っていうすごい山間部に住んでて、その近くにある公民館、幼稚園、体育館、小学校のグラウンドを使って、子供向けのイベントをやってる。音楽アーティスト、マルシェ、講義とか、子供たちの遊ぶ場所がめちゃ広くあって。

 

佐藤:子供からしたら超楽しいですよね。なんでDO ITという、非常にオーバーグラウンドでないお祭りをやっていた人が、ぼくらの文楽という子供がたくさん集まるイベントをやり始めたんですか?

 

船山:端的にいうと、子供が生まれたから。自分の中の「この人を喜ばせたい」っていうターゲットがバンドやってたときは仲間だったんだけど、それが自分の子供や奥さんに変わったから。

 

佐藤:ここで2つ目のターニングポイントですけど、『一番大切なものが変わった』と。

 

船山:そういうことだと思う。

 

佐藤:それは自然に変わったんですか?

 

船山:自然に変わったね。フェスとかイベント企画したいけど、うるさいしうちの子供連れて行けないじゃん。でも無理だとね、うちの子供はどこにも行けないじゃん。そうなると「田舎って何もできないな」っていう子供に育つんじゃないかと思って。

 

佐藤:わかる。

 

船山:田舎は嫌だってネガティブなイメージで出て行くのはすごく嫌だよね。後ろめたいじゃん。そういう子供に育って欲しくなくて。

 

佐藤:それでぼくらの文楽を作ったと。

僕、ぼくらの文楽十年計画書がホームページに出たとき、これに結構やられちゃって。僕も酒田何もないやって東京出て行った人で、帰って来たときにこっちでどうやってやっていこうかって考えていた中で、この十年計画書を見て、やられたぞと。今年で8年目なんですけど、10年で終わるって言ってるんですよね?

 

船山:絶対終わる。だってやめるもん俺。

 

佐藤:(笑)。なんで10年でやめようと思ったんですか?

 

船山:ぼくらの文楽は結構綿密に練られていて。メインターゲットの30代の人に届くような言葉選びをしているんですよ。なぜかというと、僕が30代だからターゲットの行動やマインドを一番想像しやすい。でも10年たったら僕40歳だから30歳の気持ちはもうわかんないっすよ。やめたほうがいいでしょ。

ていうのと、終わりのわからない事業をずっと開催するメンタルを僕は持っていない、多分関わる人も辛いっていうのを地域行事を経て気づいたの。途中からみんなやらされているんだよ。なんでかなと思ったら、多分途中で目的を見失ったんだと思う。

 

佐藤:ゴールがわからないってことですよね?

 

船山:そう。最初は目的があったんだけど、それが途中で叶えられちゃうとそこからは惰性になるんだよ。だから何かいい解決方法ないかなと思って、やめたらいいんだと。

 

佐藤:それに気づいた?

 

船山:そう。でも来年やめますというのはすごい無責任なのは僕でもわかる。でも10年後やめますだったらみんな許容するでしょ。そうするとマインドが変わって、続けようになるの。

 

佐藤:今まさにぼくらの文楽は船山さんの手を離れて西根公民館の公民館事業になってるんですよね?

 

船山:そう。僕主催じゃないんです。公民館が主催しているフェスは日本で多分ここしかない。西根地区の人ってぼくらの文楽じゃなくて、「ぼくぶん」って言うの。お祭りを自分のものだと思ってくれてて、街全体としてちゃんと開催できてるって感じですね。

 

佐藤:周りの人を巻き込む上で心がけていることはなんですか?

 

船山:僕なりの手法は、やめることを先に言う。これはすごい大事で、例えば僕が明日病院に運ばれたらぼくらの文楽はなくなっちゃう。それじゃ責任を果たしてないじゃん。だから僕が運ばれても継続できる環境を作っておかないといけないわけよ。

 

佐藤:僕もそれ最近すごく考えます。

 

船山:でしょ。やめるっていうんだよ。他にも、「若年層世帯を定住させます」とか言ってますけど、全然定住させてないんですよ。でも考え方次第では、僕が定住させるのか市が定住させるのかっていうことなんですよ。僕がぽいって話題を出せばみんながシェアして考えようってなるの。自分の頭の中で考えていると誰もシェアできないから、そこで終わるんだよ。僕は思ったらすぐ言う。可能な限りたくさんの人に情報をシェアする。

 

佐藤:自分のことにしてもらうっていうことですね。

 

「ないなら作ったほうがいいんじゃないか」

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佐藤:ちょっと話は変わりまして、去年の4月におもちゃ屋kimiっていうお店を開業したそうなんですが、おもちゃ屋を開店しようと思ったのはなぜですか?

 

船山:うちの子に木製玩具与えようと思ったんだけど売ってなくて、鎌倉まで木製玩具買いに行ったらめっちゃいいおもちゃ屋さんに出会って。販売しているかわからないくらい商品全部開いてて、どうやって遊ぶかとか、誰が作ってるかとか全部教えてくれるの。そこでまた「ないなら作ったほうがいいんじゃないか」と思って、僕その頃フォトグラファーで稼いでたんだけど、そこで僕の夢はおもちゃ屋さんに切り替わったの。

音楽もそうだけど、基本的に文化を作っていくっていうことがめっちゃ大事だと思ってて。例えば木製玩具を全然みんなが使ったことがない環境にいるんだったら、木製玩具を扱う文化から始めていかないといけないから、それを根付かせたいとずっと思ってて。

あとは仕事柄、学童保育支援員や幼稚園、養護施設の人と関わっていると各々が様々な問題を抱えていて、一つみんなが共通しているのはお金がないこと。予算要求してもお金が下りてこないんだよ。でも僕のおもちゃ屋によくその人たちが訪ねてくるの。子供たちのためになんとかしてあげたいんだけどお金がないの。じゃああげるしかないでしょ。持ってっちゃいなよって(笑)。

 

佐藤:以前、船山さんから聞いてなるほどと思ったのが「2枚ずつ足りないトランプのセットを2つ合わせれば1セットできる」というようにちょっとパーツが欠けたから使えなくなってるおもちゃがいっぱいある、 そういうのを全部一緒にしちゃって幼稚園とかに流していこうということですよね?

 

船山:そうそう。おもちゃもそうだし、ボードゲームだとボードゲームカフェバーって全国にめちゃくちゃあって、お金払って遊んでもらうから曲がったものとか使えるのに捨ててるの。でもかたやお金ないけど必要なの。子供たちがやりたいんだよ。だから集めちゃおうと思ってTwitterですぐ呼びかけて。色々意見もあったけど。

 

佐藤:これまでの船山さんの人生で変わっていないことはなんですか?

 

船山:えーっとね、多分やりたくないことをやったことがない。

 

佐藤:でもやりたくないことをやらないのって大変じゃないですか?

 

船山:だって、やりたくないことをやるってことは誰かが関わることになるでしょ。「あいつこれやるやつだ」と思って次続いちゃうでしょ。でも断ったら「あいつはやらないやつだ」と思って来ないでしょ。するともう楽しくないことは集まってこないんだよ。一個一個キャンセルしていくの。その会議出たくないですとか、ちゃんと言う。

 

「仕事」っていう価値観で捉えてない。

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佐藤:最後に、船山さんにとって「仕事」とはなんですか?

 

船山:全然わからなくて…楽しいこと?結果として楽しいことしかやってないから「仕事」っていう価値観で捉えてないんだよね。

 

佐藤:プライベートと仕事の境目が限りなく小さいですよね。「今日休み?」って聞かれてうまく答えられます?

 

船山:わからない。そんなこと言ったら家で洗濯するのだって仕事になっちゃうじゃん。多分僕にとって、洗濯物干すのと写真撮るのは対して変わらないのよ。お金はもらえないけど、洗濯物干せば奥さんは喜んでくれるし、子供と一緒にやれば子供との時間取れるじゃん。

 

佐藤:誰かを喜ばせることで対象によってはお金をもらえるけど、基本的に何かを喜ばせるということに置いているという点では相違ないと?

 

船山:全然変わらない。多分差がないですね。

 

佐藤:なるほど。長い時間ありがとうございました。

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